アントレプレナー=チェンジ・エージェント ~進取の気性が社会を変える、世界を変える
開催日時:2009年11月16日(月)
開催場所:政策研究大学院大学(GRIPS)(想海樓ホール)
http://www.grips.ac.jp/jp/
スケジュール:
09:00 ~ 10:00 登録/コーヒー
司会進行:畑山 順子
10:00 ~ 10:30 開会基調講演
議題:アントレプレナー=チェンジ・エージェント講演者:黒川 清 教授
10:30 ~ 12:00 セッション 1
議題:日本のアントレナーシップの現状に影響している要素とは?
ベンチャーを開始するには危険が伴い、それを乗り越える技量、意欲、タイミングおよび幸運が必要となります。政府、教育、友人、両親など日本社会にみられる要素がもたらすさまざまな障害は、起業家の輩出をさらに困難なものにしています。直近のエコノミスト紙は、我が国のアントレナーシップの状況について、「国際的起業家調査報告の最新号は、大国のアントレナーッシップとしては日本に最低の評価を与え、ギリシャと並ぶ最下位に位置付けている」と報告しました。最も優秀な者でさえ、大手銀行との関係が深い大企業や政府で働くことを望んでいます。ベンチャーキャピタルはほとんどあてにできず、倒産には厳しい試練が待ち受けています。しかも、小企業部門は過保護な状態に置かれ、「革新的」行動より「保守的」行動をとることが奨励されています。この四半世紀に、日本が創出した新規事業の割合は米国の1/3 に過ぎません。このような日本の起業環境に対する国際的な認識は、公平で正確なものなのでしょうか、あるいはまったく的外れなものなのでしょうか。本セッションでは、日本が本当はどのような状況にあり、いかなる変革がさらに多数の起業家を輩出し、活力を与えることにつながるのかを掘り下げて検討します。
モデレーター:ティム・ケリー フォーブス 東京支局長
パネリスト:
- 夏野 剛 慶応大学教授(i モードの開発者)
- 比嘉 アーネスト マツオ 株式会社ヒガ・インターナショナル 取締役社長
- ビル・ホール 株式会社シノベイトヘルスケア ジャパン リミテッド 取締役社長
- 鈴木 義幸 株式会社コーチ・エィ 取締役社長
12:00 ~ 14:00 ランチ会
議題:ビジネス、教育および政策のデザイン方法
デザインの原理とプロセスを用いて、いかにビジネス、教育および政府の仕事を効率化することができるのでしょうか。新たなニッチ市場の開拓を試みる起業家であれ、アイフォンなど魅力的な新製品の創造に関心を向ける既存企業であれ、社会的な問題に斬新な方法を持ち込む社会起業家であれ、活力に満ち、競争力のあるエコシステムに対応する政策を試みる政府であれ、これに対する答えが否定的なものになるとは思われません。デザインプロセスを通じてデザイン思考を用いることが重要であり、急速に変化しているグローバルな環境ではそれを実践することがさらに必要不可欠なものとなります。我が国の一流デザイナー2 名が自らのデザイン思考を紹介し、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授石倉 洋子博士と対談します。
モデレーター:石倉 洋子 一橋大学大学院国際企業戦略研究科 教授
講演:坂井 直樹 株式会社ウォーターデザインスコープ 代表取締役
講演:奥山 清行 株式会社 Ken Okuyama Design 代表取締役
14:00 ~ 16:00 セッション 2 ~ピーター・ドラッカーと社会的企業~
マネジメントの父と称されるピーター・F・ドラッカー博士は、GEWを開催するこの週に、生誕100周年を迎えます。大企業、非営利組織そして政府のコンサルタントでもあり、また、作家でもあったドラッカー博士は、現代の組織と経営に多大なる影響を与えました。「イノベーションとは、技術というよりも、経済や社会に関わる用語である。」そして、「イノベーションはつまるところ、経済や社会を変えるものでなければならない」と指摘し、近年関心が高まってきた「ソーシャルイノベーション」の本質をとらえていました。本セッションは、ドラッカー生誕100周年を祝い、革新が叫ばれるこの時期に改めて、ドラッカー哲学から何を学ぶのか、「ドラッカーが考えたイノベーションと社会的意義」を考えます。そして、パネルディスカッションでは、社会的企業の具体例を紹介し、ソーシャルイノベーションを起こすためのマネジメントとは何かを話し合います。特に、社会事業の規模拡大に焦点をあて、社会にインパクトを与えるために事業展開を図る際生じる経営課題を共有し、ソーシャルイノベーション創出にむけた新たな手段と今後の社会事業の展望を語ります。
基調講演:ドラッカーが考えたイノベーションとその社会的意義
野中 郁次郎 一橋大学 名誉教授
パネルディスカッション:ソーシャルイノベーションの創出にむけて
モデレーター:小島 明 日本経済研究センター 特別顧問
パネリスト:
- 島根 太郎 株式会社キッズベースキャンプ 代表取締役社長
- 土井 尚人 株式会社ヒューマン・キャピタル・マネジメント 代表取締役社長/ドラッカー学会理事
- 服部 篤子 一般社団法人DSIA 常任理事
- 齋藤 ウィリアム 政策研究大学院大学(GRIPS) アソシエイト・フェロー/株式会社インテカー 代表取締役
16:00 ~ 16:15 特別講演
議題:日本におけるアントレナーシップの動向 ~スタンフォード大学(STAJE)および東京大学のプロジェクトで得られた知見~
16:15 ~ 17:45 セッション 3
議題:起業家たちのサクセスストーリー
真の起業家とは、完全に打ちのめされても再び立ち上がる者のことです。誰もが起業家のサクセスストーリーを拝聴したいと思いますが、苦労話やカムバックストーリーは押し付けがましいだけです。本セッションでは、このような起業の両側面をご紹介いたします。大成功を収めた起業家数名に、我が国にみられる主要な障害と好機、成功要因、民間の投資家や政府の投資部門との対応方法、国内での成功や海外進出の願望などに話題を絞って発言していただきます。このほか、日本社会のアントレナーシップに対する姿勢、家族や世代間の考え方の違いにまで議論を深めていきます。
モデレーター:槇 徳子 元TV 東京アナウンサー
パネリスト:
- ハリー・A・ヒル 株式会社オークローンマーケティング 代表取締役社長
- 古川 淳 株式会社キャピタルメディカ 代表取締役
- 石黒 不二代 ネットイヤーグループ株式会社 代表取締役社長兼CEO
- 堀 ロバート 株式会社サイバード 代表取締役社長
17:45 ~ 18:00 クロージング講演
内藤 正光 総務省副大臣